チャウ・シンチー監督作「西遊記 ~はじまりのはじまり~」("西遊 降魔篇" : 2013)[BD]

妖怪ハンター・玄奘が、同業の段との出会いを経て、妖怪退治の修行に励む様を描くアクション・アドベンチャー・コメディ作品。

とある漁村に妖怪と化した巨大魚・水妖が出現し、村人を襲う。村に訪れたインチキ道士は巨大なエイを捕獲し、妖怪を退治したと嘯き、村人達は安堵する。そこへ、心優しく純真な妖怪ハンターの玄奘が現れ、それが只のエイで本物の妖怪が別にいると主張する。玄奘は村人達に妖怪の仲間だと誤解され、縛り上げられる。安心した村人達は挙って海に飛び込むが、そこへ水妖が再び現れ、村人達に襲いかかる。縄を解いた玄奘は、村人達を水妖から救うべく奮闘し、辛うじて水妖を制圧する。玄奘は人の姿に戻った水妖を、退魔大典「わらべ歌三百首」で鎮めようと試みるが、水妖は途端に暴れだす。そこへ賞金稼ぎの妖怪ハンター、段が現れ、水妖を封印する。妖怪の善を呼び覚ましたいと主張する玄奘に対し、段は子供っぽいとあしらう。段は村人に讃えられ、一方の玄奘は己の無力さを痛感し、師匠の元へ帰る。玄奘は師匠の前でわらべ歌の効果を疑い、多くの村人の命を救えなかった事を悔やみ、慟哭する。師匠は、魔を払い、善だけを残す信念を説き、自身に欠けているものを探して更なる修行に励むように玄奘を送り出す。

玄奘はとある山麓の食堂を訪ねる。そこでは妖怪のコック・猪剛烈が、訪れた客に幻覚を見せ、次々と餌食にしていた。食堂の賑いが幻覚だと見抜いた玄奘は、店員が人間では無いと気付く。そこへ段が現れ、砂でできた猪の手下達を、無限変幻リングで一網打尽にする。段は猪と格闘し、その豚の姿を暴くと、玄奘に協力させ、魔を口で吸い出し、封印を試みるが、猪は凶暴化して2人に襲いかかる。猪の追跡から逃れると、段は口づけを求めるが、純真な玄奘は戸惑い、その場から逃げ出す。玄奘は再び師匠の元に戻り、男女の愛よりもっと大きな愛を志向する意思を明かす。猪が手に負えぬ存在だと嘆く玄奘に、師匠は仏に封印された孫悟空を探し出し、教えを請う様に告げる。孫は五指山の麓の寺の仏像近くに封印されているという。師匠は、孫が狡猾で陰険で根に持つタイプだと忠告し、再び玄奘を送り出す。

五指山へ向けて出発するやいなや、玄奘はゴロツキの集団に捕らえられる。段も同じ様に捕らえられており、2人は夫婦だと偽って、逃れようとする。ゴロツキ達はセックスで証明する様に強要するが、程なくしてそれが玄奘に惚れた段と手下達の芝居だったと分かる。段は玄奘こそ理想の男だとし求愛するが、玄奘が呆れて立ち去ろうとした為に戦車の中に捕らえられてしまう。段はなんとか玄奘の気を引こうと、手下と共に策を講じるが失敗する。そこへ猪が現れ、段達に襲いかかり、戦車が破壊される。その時、3人の妖怪ハンター、虎筋蟷螂、天残脚、空虚王子が現れ、猪を退け、互いに争い始める。猪はその隙に逃げ出す。玄奘は満月で猪が力を増す前に、皆で力を合わせて猪を倒すべきだと主張するが、ハンター達は聞く耳を持たない。玄奘は段が奪ったわらべ歌を返す様に求めるが、段はそれを破り捨てる。憤慨した玄奘はその場を立ち去り、ひとりで五指山へ向かう。

山の麓に仏の鏡像を確認した玄奘は、蓮が群生する一角に洞穴を見つけ、内部で見窄らしい風貌の孫悟空と遭遇する。孫は500年ぶりの人間の来訪に歓喜する。大日如来に穴に落とされて以来、その教えを学んできたという孫に対し、玄奘は猪を退治する為の教えを請う。孫は玄奘を騙し、如来の封印の札を妖怪封じの札と称して、外させようとするが、玄奘はその企てを見抜く。改心した事を強弁する孫に、玄奘は猪を鎮めれば善行を示せると提案する。孫は、猪が自身を殺した妻を今でも愛しており、満月の下で妻に見立てた美女に歌ったり踊ったりさせれば、猪が現れるはずだと主張する。そこへ玄奘を心配してやってきた段が現れ、自ら美女役を買って出る。玄奘の奏でる音楽に合わせて、段が満月の下で踊ると、猪が現れる。洞穴を覗き込んだ猪を孫が引きずり込むと、子豚の姿にして手懐ける。段は猪を封印し、水妖と共に玄奘に預ける。段はリングを指輪にして玄奘の指にはめて求婚するが、玄奘は愛していないから結婚できないと告げる。失望した段はもう付きまとわないと言い残し、修復したわらべ歌を手渡すと、洞穴から去る。

孫は玄奘の帰り際に、満月が見たいと訴え、洞穴を覆う蓮の花を取り除くように促す。玄奘が花を抜くと、群生した蓮が炎上する。実は蓮こそ仏の封印の源であり、封印の札は孫の罠だった。洞穴から解放された孫は、真の姿となり、力を取り戻す。孫は手を合わせ読経する玄奘の髪を毟り取る。そこへ妖怪ハンターの3人が現れ、孫に戦いを挑むが、孫の圧倒的な力の前に敗れ、灰と化す。孫が玄奘に襲いかかると、段が現れ、玄奘を守る為に戦うが、為す術も無く敗れ、致命傷を負う。玄奘は段の事を最初に会った時から愛していたと告げ、口づけを交わす。孫は段を粉々に消滅させる。玄奘は段の指輪を身に付け、わらべ歌より転化した大日如来経を読み上げると、地球を覆うほどの仏が降臨し、大猿化した孫を押しつぶす。玄奘は魔の抜けた孫の頭に段の輪を付ける。

玄奘は師匠の元に戻り、男女の愛と大いなる愛が同一である事を知り、己に欠けていたものを悟ったと伝える。この世を救えるのが天竺にある仏の経典だけだと知った玄奘に、師匠は袈裟と法具を授け、三蔵法師と名付ける。玄奘は孫悟空、猪八戒(猪剛烈)、沙悟浄(水妖)の三人の徒を従え、西へ経をいただく旅に出る。


おなじみ西遊記の中国本家によるリメイク作品。降魔篇とあるから、今後シリーズ化していくのだろう。一作目は玄奘が沙悟浄、猪八戒、孫悟空らと戦い、仲間にするまでを描いている。一にも二にも、ファンタジー色豊かで派手派手なVFXが視覚的には愉快だ。ところが、日本人的観点からか、個人的な先入観からかは分からないが、脚本はお世辞にもよく出来ているとは思えない。おふざけというか何というか、無駄に見える要素がそこかしこにあって、しかもそれが長々と続くので、どうしても間延びした印象を受けてしまう。全体的には切れ切れのミニコント集を観ている様で、どれもスベっている感じ。もしかして、それが中国の観客のツボをピンポイントで押さえているのかも知れないが、妖怪達が画面狭しと暴れまくるアクション・コメディ系を期待していたので残念。玄奘はヘタレ野郎だったが、段はなかなか愛嬌があって良かった。吹き替えで観た方が楽しめたかも?と、観終わってから後悔。

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